ある日、読売新聞の文芸欄を眺めていたら、知人の名を見つけた。短歌の入選欄である。彼は二つ下の後輩で同職したこともある、たいへん世話になった方である。まさか短歌をやっているとは知らずにいたので、驚きつつも文化的な活動に敬服したのであった。そして、柄にもなく自分もやってみようか、俳句なら短いし…と思い立った。4月のことである。

白木蓮 風に踊って 香(か)を放つ     道崩れ 崖の上なる 山桜     牛糞を 散らす土塊に 初蛙

はがき一枚に3句までの応募制限だったので、上の3句を送った。どれも4月から5月初めの体験から生まれたものだった。5月上旬に送り、毎週金曜日の文芸欄を楽しみにしていた。ところが、何週経過しても我が名は見当たらず、やはり、軽い気持ちで始めたものなど通用しないものだなと納得して諦めていた。ところが、完全に忘れていた6月28日(金)、おっとどっこい私の名前が載っているではないか。3句のうちの初めの句が入選したのであった。子どもが生まれたのを記念して植えた白木蓮は30数年経ち、みごとな大木となって、毎年花を楽しませてくれている。それを詠んだものだった。2句目は山へ山菜採りに出かけたときの句、3句目は畑仕事から生まれた句である。いつまで続くのか知らないけれど、趣味が一つ増えたようでうれしい限りである。これも無理なく、じっくりと取り組んでいこうと思っている。

One thought on “俳句デビュー”

  1. ご入選、おめでとうございます。
    いずれもいい句ですね。私に評価する力量はないですが(^^;)
    私の身近にも、俳句を楽しんでいる人がいます。
    簡単そうで難しい。
    今後も、ぜひご披露ください。

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