4月・6月と新聞文芸欄に採用された句が、思わぬトップ採用の「秀逸」であった。一時はもうやめようかと意欲をなくしていたが、これに気をよくして細々と続けてきた。とは言え、月に一度か二度の投句で、はがきに3句書いて出すのである。ほとんど忘れかけた頃に、採用されるのでやめるにやめられないのだ。今回の作品は次のとおりである。相変わらず工夫のない平凡な句であるから、どなたかご指導願いたいものである。(因みに、知人に聞かれたので紹介すれば、秀逸の記念品は、読売新聞社のボールペン1本と500円の図書券である。)

【秀逸】 青田吹く 風の向かうに 麦の秋

(評)二毛作の日本では、青田が風にそよぐころ、ちょうど麦の黄ばむ麦秋のころ合いになる。青ばみ始めた田の面と、麦秋のこの取り合わせは日本中に見られる。

買い物帰り、車を飛ばす2kmほどの直線路は田んぼ中なので障害物は何もない。なよなよとした青稲がぐんと緑の濃さを増して逞しくなってきたころ、隣には対抗するかのように明るく黄ばんだ麦が風になびいている。空はすがすがしい青空…、稲と麦と空のそれぞれが、わが身の美しさを健康的に主張している。感性の鈍い私でも、心うきうきしてくる対照の美である。(下の写真は、退職後に一年務めた際に通勤の朝に撮ったもの。)

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