一株だが、種を取って来春、植えてみようと思っている。

ソバ…… しばらく休んでいた運動(ジョギング)を始めた。久々のマイ・マラソンコースであった。およそ20年前から夏場に愛用しているコースである。秋田自動車道の脇道で、ほとんど車も人も通らない。それでも簡易舗装をしているので走りやすいのだ。ホオジロやカワラヒワが暮らしており、アオサギやシラサギも近くの田んぼで餌を捕っている。以前は道端にネジバナが多かったけれども、近年は見られなくなった。ところが、私の好きなソバ(食べるのも好物)の花が点々と咲いていた。舗装した路面に苔などが張り出している極浅い土のところである。なぜかなと見回したら、近くの田んぼにソバの実が植えられていた。蒔くときに種がこぼれたのであろうか。なんとも健気である。走り終わって、自転車に乗って帰ろうとしたら、その自転車のすぐ下にもソバが咲いていた。思わず持ち帰ったのが写真である。やせた土地でも栽培できると聞いていたが、ほんの数センチしかない土の上で懸命に命をつなぎ、誰にも見られずとも花を咲かせていた。心惹かれるひと時であった。

花の下の方には、細長い蕾が少しずつ膨らんできていた。

月見草……同じマラソンコースに夏から秋にかけては月見草が咲く。妻が大好きな花なので、帰りに一本だけ手折って帰った。花は二輪である。小さな一輪挿しに飾って楽しんでいたが、2~3日で花は終わってしまった。そろそろ捨てようかと思っていたら、妻が台所に持ってきて日光に当てていた。花は終わったのだが、次の花の蕾が大きくなってきているというのだ。言われてよく見ると、確かにその通りであった。水に浸かっているだけなのに、なんという生命力か。確かにオリヅルランなどは葉や茎を水に浸しておくと根が出てくる。そうしてたくさん増やしたことがあった。植物には(動物もそうだが)諦めるという行為が存在しない。片足になったキツネがびっこを引きながら生活していたり、茎をちょん切られても根を出す植物があったり…。もちろん、自殺するなどということはない。自然界を眺めていると人は教わることがいっぱいあるような気がしている。

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