松の新芽取りも止むなく中断

雀に入られないように出入り口の穴を狭くして、屋根は杉皮で葺いた私自慢の巣箱。2年前に作ってシジュウカラが営巣・産卵・巣立ちまでこぎつけた感動を味わったものだった。しかし、昨年は空き家のままであった。今年もほぼ諦めかけていたが、またもやシジュウカラが来てくれた。5月の下旬になり、松の新芽が一斉に出たため暑い中を一生懸命に剪定の作業をしていた。すると、向かいの梅の木から「ジュジュッ、チーチー、ジュジュッ、チーチー、」としきりに鳴き声が聞こえてくる。白い胴体に黒いネクタイをしたシジュウカラが、やけに私と目が合うなと感じた。それもそのはず、私は巣箱の前にある大きな庭石に立って作業をしていたのだ。はっと気が付いて、剪定を中断して玄関の方まで離れてみた。すると、注意深く下の枝から順に巣箱へ近づき、さっと穴を通って入っていった。2羽いる。雌雄が協力して餌を運んでいたのであった。

松の新芽は今頃、勢いよく一斉に出て、柔らかいうちに取ってやらないと硬くなってしまうため、作業を止めたくはないのだが、これでは仕方ないかと作業半ばで止めたところだ。数日前などは、スズメが巣箱の入り口を覗いていた。これはいかん、それ以上邪魔をしないように私は巣に近づいて追い払った。もちろん、スズメは入れない、そうしたのは私なのだから。初めて巣箱を作った2年前は入口を大きくしたため、すぐさま雀に占領されてしまっていた。雀を嫌っているわけではなく、いつも身近にいる鳥なので少し違った鳥に入ってほしいのだ。家の庭でよく見かける鳥としては、カワラヒワ、セキレイ(セグロ…、ハク…)、キセキレイなどである。人家を少し離れたマラソンコースの高速道路わきではホオジロ、季節限定だとエナガやヤマガラ、その他名前の知らない小鳥たちが訪れる。そうした鳥とのわずかな時間を共有したくて巣箱を作るのである。何はともあれ、無事に雛が巣立ってくれることを願っている。

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6月1日(土) 巣立ちの雛を発見

片方の目はまだうるんでいる。親鳥に比べると実に小さく愛らしい。

 いつものように巣箱を観察していたら、小さな雛が巣箱の前の小枝に止まっているのを見つけた。嘴は黄色く、体にはふわふわとした産毛が見える。一羽だけだが広い世界へ羽ばたこうと出てきたのだった。親鳥の2羽はこれまで通りにせっせと餌を運んでは巣箱へと入っていく。鳴き声からして、巣箱にはまだ2~3羽の兄弟たちがいる。そして、時々は外に出た雛にも餌をやっている。どこの親も大変である。

しかし、相変わらずスズメがやってきてはちょっかいを出している。入れないはずの入り口からなんと入った無礼者まで出る始末だ。もっと狭い入口にしなくてはならなかったようだ。シーズンが終わったら、巣箱を作り直さないといけない。

産毛がそよ風に揺れる。何とも無垢である。
餌は虫の幼虫のようだ。

 

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