4月14日に鳥の巣箱のことを書いたばかり、そして4日後の18日、なんと念願のシジュウカラが入居した。出入り口の調整がうまくいったと一人で喜んでいる。実は少年の頃、この辺で「くねっこ」という垣根の中に、シジュウカラの巣を見つけたことがあった。幹の小さなうろ(洞)の中であった。こんな狭いところに巣を作るのかと学んだのである。独特のネクタイ姿が上品で気に入り、ふだん見られる野鳥の中でも好きな鳥の一つである。

巣箱の入り口には、いったん止まれるように板を延ばして玄関のようにしてある。ところが、速いスピードで飛んできては、直接、穴の中に入っていく。しばらくすると、出てきて巣箱の前の松の枝に止まり、すぐに出かけていく。この一連の動作が野鳥らしく、いかにも機敏で、私を満足させる。巣作り、産卵、抱卵、孵化、餌やり、巣立ちと続くのであろう。自然にはあまり立ち入らないように、静かに見届けようと思っている。

少年時代は、身近な鳥の卵を集めて、目玉焼きにしたことがある。大きいものから、カラス、キジバト、ムクドリ、スズメ、シジュウカラ、などであった。フライパンに並べて大きさを比べながら、たいらげたのであった。カラスについては懐かしい話がある。小学校6年の時であった。仲間たちと大雄の「野っこ」(野原)へ遊びに行って、高いアカマツの木の上の方にカラスの巣を見つけた。当時は痩せていて、木登りが得意だった私が登ることになった。布の袋をベルトに挟んで登って行った。登ったものにしかわからない高さであり、風である。孤独だ。下ではのん気にやあやあと騒いでいる。間近で見た巣は、思いのほか広く、中心のあたりは髪の毛のようなもので柔らかに覆われ、虱のような白い小さな虫がたくさん目に入った。親鳥のけたたましい叫びと攻撃をかわして、やっとの思いでひな鳥を一羽、袋に収めて地上に降りたのであった。物語はこれからである。私の家の白い鳩(2/2「記憶ー白の記憶」参照)に使った鳥箱に入れて、飼育を始めた。ところが、親鳥が玄関先にやってきては、しきりに鳴き始めたのである。学校へ行く時も、私の後を追い続ける親。6年生の教室は2階の西側にあって、そこに桜の木が何本もあった。授業中もその桜からうるさく鳴くのである。担任のT先生は「なんだ、このごろやけにカラスがうるさいなあ。」などと言った。カラスの雛は、学校の敷地のすぐ隣に親友Tくんの家である鍛冶屋があって、そこの裏の小屋に隠していた。昼休みには飛んで帰って、前日に取っておいたドジョウを雛にやるのである。下校時も親鳥は私の後から離れない。そんな状況が1週間も続いた。ついに、親鳥の愛情に根負けして、私は雛を返してやった。少年の日の思い出である。

なお、この日は我が家のモクレンと梅の開花宣言の日でもある。

One thought on “入居者、決まる!”

  1. 昔のカラスは優しかったのかなあ。我が家の向かいの庭に、或る年、カラスが巣を作った。歩くたびに攻撃されて、近所の人も困っていた。結局、撤去されたが、そのような光景が多分今年もあちこちで見られると思う。エリア外に出るまで、後をつけられるのは、不気味で怖い。ヒッチコックの映画をいつも思い出す。

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