10日も続いた雪が昨日からいったん止み、今朝は快晴となった。そして、気温は氷点下16.4℃まで下がった。木などには降った雪が解けずに凍り付き、午前10時頃になっても雪の結晶が見えるほどであった。氷点下前後の中途半端な寒さの日は、雪の結晶もすぐに消えてなくなる。厳しい寒さなればこそ、雪や氷も、木々に花を咲かせたかのような美しさを見せてくれる。毎日の除雪作業にうんざりしていた身には、久々の好天がほどよい気分転換になったようだ。
若い頃、職場で誕生月(2月)に梅の鉢植えをいただいたことがある。うれしくて、早く咲かせようと家の中に置いていた。すると花が咲くどころか葉が出てきてしまったのである。そこで、園芸に詳しい先輩に話したら、笑いながらこう答えてくれた。「ああ、それは過保護にしたからだなあ。梅に限らず植物は真冬の寒さを直に体験しないと、季節を錯覚するんだ。急に暖かいところへ置いたもんだから、いつものリズムを狂わせてしまったんだよ。」と。植物も人も、厳しい体験を経ていないと美しい花は咲かせられないのだと、その時、痛感したのであった。