庭の雪がようやく消えたので、山野草の鉢を並べる作業をした。囲いをした庭木の根元に並べて越冬させたいたものだ。落ち葉に覆われた鉢を一つずつ取り出し、セットした台に並べていくのだ。頭の中には、花が咲いた時の光景が広がっていく。とは言え、花が咲くのはたったの数日しかない。並べ方の後は、たっぷりと水をやる。春の目覚めを促すのだ。

一通り作業が終わって一息ついていたら、見慣れない野鳥が一羽、やってきた。ジョウビタキである。図鑑でしか見たことはなかったのだが、確信があった。なかなか飛んでいこうとしないので、急いでカメラを取りに二階へ上がった。400ミリの望遠レンズを取り付けて静かに部屋の中から覗いたら、まだいる。何枚か撮影した後で、そっと外へ出てさらに撮り続けた。この鳥、今日は高い所には止まらないようで、低い杭や止まり木、地面で餌を探している。鉢を置いていた場所が、少し土を掘り起こしたような状態になり、虫を見つけやすくなったようだ。地面に近い所は逆光にならず、撮影にはたいへん助かる。後でパソコンで確認したら、キャッチアイ(目の中の光)もちゃんと入っていた。鳥の専門家に、野鳥を撮るときはこれが入るようにするとよいと教わっていたのだ。まあ。人物でも同じではあるが…。

長い間、雪に埋もれていた北国の住民には、野鳥の飛来は春を告げるようで、たいへん好ましい出来事なのだ。数年前、ランニングの途中で偶然にもヤブサメという鳥を見つけたことがあった。出会うのがとても難しい鳥で、かなり高音のシン、シンと鳴く。カメラを持っていないときだっただけに悔しい思いをしたものである。そう言えば、昨日はケリが上空で甲高く鳴いていた。今年の初飛来である。これからはいろいろな春の使者に出会えることだろう。楽しみである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です